この日記は、医院での診療の様子をお伝えするものです。ホームページを見て、受診した患者さんから、日頃の診察の様子や、医者がどんなことを考えているかがわかると、受診する時の参考になるということで、このコーナーを開設しました。かなり、面倒なので反響が乏しければ、消滅する場合もあります。悪しからず。



１２月X日


パソコンがついにダウンしてしまって、
無理して買い換えたが、OSが変わってしまって、
どうも使いにくい。
慣れるのに時間がかかりそうだ。
それで、ホームページの更新も遅れ気味になってしまった。
ところで、長い間使っていたZAURUSの日本語入力ができなくなり、
とうとう壊れたかと思った。調べてるみると、もう１０年以上も使っている
ので、壊れてもやむ得ないところだろう。
次世代機を考えたが、ZAURUSの後継機などどうも存在しないらしい。
スマホにするかどうか考えていて、ZAURUSのどこが壊れたか調べ直してみた。
すると、本体ではなく、メモリーカードがいけないらしい。
それで、SDカードを交換しようとしたら、これが２５６ｍｂの容量。
それ以上の容量は、ZAURUSが読み込まない。
新しいSDカードを探したが、２５６ｍｂなんてどこにも売っていない。
それで、SDカードをフォーマットしたら使えるようになった。
やれやれだけど、使用環境ははなはだ悪い。
今度不都合が出たら、もうおしまいだ。
わがZAURUSは、生きる化石か。
技術の進歩というのも、困ったものだ。



１１月X日


YOUTUBEを見ていて、面白いと思ったCM

短縮版と完全版がある。
落ちが面白い。
これが本当の「落ち」というものだろう。

短縮版

https://www.youtube.com/watch?v=dK0LmiIjxk4

完全版

https://www.youtube.com/watch?v=uHR216Ro1j4



１１月X日


このところ、ちょっとしたきっかけからDHロレンスの本を読んでいる。
私の若い頃は、ロレンスの小説は、新潮文庫などの結構入っていたが、
このごろは「チャタレイ夫人の恋人」ぐらいしか残っていない。
図書館で借りてきて、少しずつ読んでいる。

最近読んだ文章の中に、こういうのがあった。

「ひとは自分に対して賢明であれはよい。ともかく、
だれもが、結婚するとか死ぬときのように、めったな場合をのぞいては賢明では
　ありえない。
いつでも賢明でいることは、年中葬式をしているように、野暮であろう。
ふだんのためなら、そんなに大きな人生目標をもたない、気まぐれな人間で
　十分。
そうすれば、戦争などおきるはずがないし、平和についておしゃべりする必要もないだろう。」

「いつでも賢明でいることは、年中葬式をしているように、野暮であろう。」

ついつい笑ってしまった。



１０月X日


連休に、講演を一回やるよていだったのに、
台風で中止になってしまった。
意気込んで、家を出る一歩手前で、電話が入って、
中止ですとのこと。
気が抜けてしまった。
それで、時間が空いたので
福島原発事故と精神科医療の関連の論文を
まとめて読んだ。
ネットかっらダウンロードしたもので、
関連のものを含めて、全部で１００近くあった。
これだけの文章をまとめて読んだのも久しぶり。
しかし、何を読んでも、発想が紋切り型ですねえ。
これでは、日本の未来も暗いなあと思った次第。


１０月X日


このホームページも書き出してから、長い時間が経ってしまったので、
これまでどんな話を書いたか、おおかた忘れてしまった。
それで、すでに書いた話かも知れないけれど、
思い出して笑ってしまった話を書いてみたい。
ある時の診察で、これまで私が話した言葉の中で、
一番印象に残っている言葉は何かという話になった。

患者さん　「それは、『老婆は一日にしてならず』ですね。」
私　　　　　「そんなに、印象に残ったのかね」
患者さん　「それはびっくりですよ」
私　　　　　「よく言われている言葉でしょ」
患者さん　「普通は『ローマは一日にしてならず』でしょう」
私　　　　　「それはそうだよね。」
患者さん　「『老婆は一日にしてならず』。よくそんなくだらないことを言うなあと、びっくりしたのです」
私　　　　　「・・・・・・」


１０月X日


ホームページ更新を休んでしまって、随分のご無沙汰でした。
実は、ネットがつながらなくなり、悪戦苦闘していたのです。
結局判明したのは、何故か私が契約しているプロバイダーと関係のない
プロバイダーに繋がっていて、私はしらないまま、違うプロバイダー経由で
ネットをやっていたらしいのです。
ところが、突然、そのプロバーダーに接続できなくなった。
たぶん、本来そのプロバイダーを使っていた人か会社が契約解除したのでしょう。
それで、まったくネットに繋がらないということになった。
幾ら自分でチェックしてもわからない。
結局、業者に頼むことになりました。
こんなケースは聞いたことがないという話でした。

たぶん、最初に設定するときに、試しのID、パスワードを入れて、そのままになったのではないかという
想像でした。
いずれにしても、代金を払いながら、プロバイダーを使っていなかったとは、不思議です。



１０月X日


いよいよ、精神科薬剤の処方制限が始まった。
睡眠剤２種類、抗不安剤２種類、抗精神病薬３種類、抗うつ剤３種類が上限となる。
抗うつ剤を４種類もつかうなんてありえないので、どうしても睡眠剤と抗不安剤が問題になる。
問題になるケースは多少は薬物依存の傾向を持っていて、本当に難しいのはごく少数だろう。
これを機会に、処方数を減らすことになって、
「もともと、こんなに飲む必要はなかったのですね」という発見に繋がる場合の方が多い。
しかし、時間が経つとどうなるのか。
もともと、多剤と言っても、最初から多剤になるということをあり得ないので、
色々試行錯誤しているうちに抜け出せなくなるのが普通で、
時間が経つとどうなることかと思います。



８月X日


認知症の人の自動車免許について書いたら、
ある人からこういうコメントがあった。
認知症の人から免許を取り上げると、
早めにあきらめて返上する人が増えるだろう。
今後老人が増えて、ただでさえ自動車の販売台数が減っているのに、
その傾向に拍車がかかることになる。
免許更新を制限するより、多少認知症があっても、
事故が起こらないように、自動車にセンサーを取り付けたり、
自動制御技術を高めたりする方向を政府も考えているのではないか。
そういう話だった。
なるほど、言われてみれば、そういうこともあるかも知れない。
それに、何でも規制を強めれば、問題を回避できるというのも、
偏った考え方だろう。
しかし、認知症ドライバーを抱えた家族も大変ではある。



８月X日


一日中、台風が吹き荒れて、外出もままならないので、
一日、パソコンの前に坐っていた。
この１０月から、精神科の処方薬に制限がかかるようになる。
睡眠薬や抗不安剤は２種類まで、抗精神病薬や抗うつ薬は３種類までに、
使用が制限される。
学会の研修を受けると、抗精神病薬や抗うつ薬の制限が解除されるということになっていて、
その研修をインターネット上で受けた。
実際に、抗精神病薬や抗うつ薬を４種類以上使用しているケースは、私の場合はほとんどないので、
受ける意味も乏しいが、もしものこともあるので、研修を視聴した。
最後に、小テストもある。
どうであれ、多剤併用はいけないというお話しである。
そうは言っても、なるほどと思うこともあった。
睡眠前に煙草を吸うと、不眠になるとか。
寝たばこは火事のもとだと思っていたが、
不眠の原因でもあるらしい。
睡眠一時間前は、喫煙しないほうが良いらしい。
ともかく、終了してヤレヤレ。

医療上のトラブルがあって、社会問題化すると、何かと資格化が行われる。
色々な研修会ができて、それらをこなさないと、不便なことになるらしい。
そのたびに、学会にお金が入るようになっている。

睡眠薬が制限されると、入眠効果の強い抗うつ剤などが使われるようになるかもしれない。
それはそれで問題だと思えるが、どんなものだろうか。


８月X日


通院中の患者さんから相談があった。
ご家族の中に、認知症の方があって、地理がわからなくなったのに、自動車の運転をやめてくれない。
もともと、自動車の運転が好きで、唯一の趣味だったから、仕方がないが、認知症がひどくて、北も南もわからない。
迷子になることもしばしばで、家族の誰かがナビゲーターになって、同乗すれば何とかなるが、
一人で外出すると大変で、警察から迷子となって連絡が入ることもある。
高齢のため、免許更新の時に、認知症の検査がある。
家族は、あらかじめ、認知症でかかっていた医療機関から、自動車運転は不適当という診断書をもらって、提出しておいた。
これで、免許更新はないものと思っていたのに、その時の検査で異常が出なかったと言うことで、更新されてしまった。
色々な所に相談に行ったが、どうにもならない。
とうとう、高速道路を逆走して、つかまった。
しかし、認知症がひどく、本人に違反の自覚がないので、違反にならないということで、
免許の取り上げにならなかった。
家族が自動車のかぎを隠したところ、かぎがなくなったと、色々な商店に
「かぎを売ってくれ」と頼みに行き、不審に思ったお店から、警察に通報された。

そういう話を半年以上聞かされて、相談に乗ってきたが、
警察にしろ、色々な役所にしろ、人権だとか個人情報だとかを理由にして、
なかなか決断を下してくれない。
困ったことだ。

ある患者さんは、年齢によって、少し反応が遅くなって、自動車の運転中に道路脇の電柱にぶつかった。
それを聞いた奥さんは、「あんたは、もう惚けている。運転なんかする必要はない！」と一喝。
即座に、運転免許の返上を命じた。
ご主人も、奥さんに頭があがらず、返上の結果となった。

快刀乱麻を断つで、役所や警察の権力を強化するより、
奥さんの発言権を強めれば解決するのかもしれないと考えてしまった。